不法就労とは

不法就労とは、①不法滞在の状態(そもそも上陸許可を受けていない場合や在留期間を超過して滞在している場合)で収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動(就労)をする場合、②就労できない在留資格の外国人が資格外活動許可を得ずに就労する場合、③在留資格で一定範囲の就労を認められた外国人が在留資格で定められた範囲を超えて就労する場合をいいます。

②の例として、留学生が資格外活動許可を得ずにアルバイトとして就労する場合が、③の例として、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を有する外国人が飲食店において調理師の仕事(在留資格「技能」の対象業務)をした場合が考えられます。

不法就労がなされた場合には、外国人と使用者である企業にはそれぞれどのような制裁があるのでしょうか。

まず、不法就労をした外国人は、資格外活動罪として刑事罰の対象となります(入管法第70条第1項第4号、同第73条)。また、これらの罪に該当することは、退去強制事由ともなり得ます(入管法第24条第4号イ、ヘ)。

次に、当該外国人を雇用していた使用者にも、不法就労助長罪という犯罪が成立します(入管法第73条の2第1項)。そして、不法就労助長罪は、使用者が不法就労の事実を知らなかった場合にも免責されず、不法就労を知らなかったことについて無過失の場合のみ免責される規定となっており、非常に厳格な法規制であるといえます(同第2項)。

そのため、外国人雇用を検討している企業としては、不法就労がなされないように徹底してチェックする体制を整備することが肝要です。

なお、外国人が使用者に対して不法就労であることを秘匿して就業していた場合であっても、当該外国人に対して労働法(労働基準法、労働契約法等)の適用はあります。
したがって、例えば雇用していた外国人従業員の不法就労が判明したからといって、当該外国人について、それまでに発生していたはずの賃金を支払わなくてよいといったことはありませんので、注意が必要です。

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